ものづくりで中国が絶対に日本に勝てない理由とは?

img_001製造業の中で激化しているコスト競争。
その中でも最もホットなのが中国での部品や材料(部材)の低コスト調達だ。
確かに,中国の部材は日本で調達する部材と比べて価格が3割~5割安いのは当たり前。
品質という点から言っても、中国のものづくりの力は総じて高まっている。

だが、現時点では中国のものづくりには明らかな弱点がある。
最大の弱点は、品質にムラがあることだ。
日本メーカーが品質検査を厳しく行うことでかなりカバーできるが、「特殊工程の品質」まではカバーできない。特殊工程とは「破壊しなければ品質の良否が判定できないもの」で、例えば、溶接工程だ。
日本のメーカー(特に自動車業界)では、経験を豊富に積んだ熟練工が担当する。
これが日本車の高い品質を支える一つの要素となっている。

ところが、中国のものづくりは歴史が浅く、立ち上がってからせいぜい10年ほどしか経っていない。
そのため、特に熟練工の人数に限りがあり、多くの中国メーカーが熟練工不足に直面しているというのだ。
特に自動車部品の中国調達が進まない理由としては、特殊工程の割合が大きく、また自動車部品の欠陥は命に直結し得るものであり、品質のムラなど許されないからだ。

“技術”はマニュアルによって受け継ぐ事は出来るが、”技能”は簡単にはいかないのである。